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不倫していないという嘘の主張はできるか?

不倫の証拠がないに違いないということで、「不倫していない」と白を切れば、逃げ切れるのではないかというご相談があります。結論から言うと、実際に不倫があった以上、裁判で嘘をつくのは難しいと思います。

まず、相手に証拠がないという予測が外れている可能性があります。少なくとも、相手は、不倫を突き止めているのですから、全く無根拠とは考えられません。虚偽の否認をした後に、決定的証拠が出てくる可能性を考えれば、白を切るという決断は、容易ではないでしょう。

次に、不倫相手が裏切る可能性があります。裁判は、それなりの期間(最低でも半年上)かかりますので、その間、不倫相手が心変わりしないという保証はありません。不倫相手が、原告の味方をして、真実を供述すれば、嘘がばれることになりますし、虚偽の主張が、慰謝料増額事由になってしまう可能性もあります。

また、虚偽主張の依頼を受ける弁護士を見つけるのが簡単ではありません。弁護士抜きで裁判を戦うことが考えられますが、弁護士の助力なしに法廷で嘘を突き通すのは、相当の度胸を必要としますし、誰にでもできることではないと思います。

更に、弁護士に嘘をついて、依頼を受けてもらうという方法もありますが、嘘がバレたとき、辞任される可能性があります。その場合、通常、着手金は返金されないでしょう。着手金を支払ったのに、裁判の途中で放り出されるリスクを考慮すると、お勧めできません。

以上のように、相手に証拠がないからといって、裁判で嘘を貫き通すのは、簡単でないことが分かります。証拠云々ではなく、「不倫はバレたらそれまで」くらいに考えておいた方が無難ということです。

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