たった数年で1億円以上を競馬につぎ込み、数千万円の負債を負った男性からの相談です。
他の法律事務所に自己破産を相談したところ、「申立てはするが、結果がどうなるかは知らない。」という冷たい言葉が返ってきました。
ギャンブルでの多重債務としては、当事務所でも、あまり例のないほど多額でしたが、本人が定職についており、自己破産すれば、経済的に再出発が可能と思われ、十分反省していることが見て取れましたので、自己破産を試みることにしました。
当初、裁判所と破産管財人からは、免責不許可の可能性を示唆されましたが、破産手続開始決定後に賞与として支給された80万円ほどを破産財団に組み入れて、配当を実施した結果、免責が許可されました。
ギャンブルは、破産法上、免責不許可事由とされていますが、現在の運用では、免責不許可になる人は、全体の1%未満であり、かなり酷い浪費やギャンブルで借金を作った場合であっても、ほとんどの人は、免責されています。これを「裁量免責」と言います。
また、免責不許可になるのは、財産を隠匿したり、裁判所に虚偽の説明をしたり、調査に協力しなかった場合が大半であり、単に、浪費やギャンブルが酷いというだけで免責不許可になることは多くありません。その意味で、本件は、どれくらい酷い借金の増やし方をすれば免責不許可になるのかという限界事例と言って良かったと思います。
たったの1年~2年で1億円以上馬券を買って、数千万円の損失ですから、さすがに裁判所も簡単には免責を認めるわけにはいかなかったのでしょう。そこで、可能な限り、債権者に配当を実現するための努力をした証として、賞与約80万円を破産財団に組み入れた結果、免責が許可されました。
本来、破産手続開始決定後の賞与は自由財産(自由に使うことができるお金)ですが、こういった自由財産を破産財団に任意に組み入れることがあります。そうすることで、配当の努力をしたという実績を残し、裁量免責において考慮してもらうわけです。それでも、個人再生をするよりは、費用的に相当安く済みますので、自己破産した意味は大きかったと言えるでしょう。
ギャンブルに1億円つぎ込んだ人でも免責されているのですから、ほとんどの人は自己破産を諦める必要はありません。誰でも免責されるわけではありませんが、最初から無理だと諦めず、弁護士に相談してみてください。
