裁判を起こすと言われています。
裁判を起こされると、家族や勤務先などに知られてしまうのでしょうか?
裁判は公開されるのでしょうか?
民事訴訟を起こされると、自宅に訴状が届きます。また、相手方が、自宅を知らない場合には、勤務先に訴状が届くことがあります。これらにより、裁判を起こされたことが、家族や職場に知られてしまうことはありえます。
しかし、これは、最初の訴状だけであり、その後の準備書面や証拠は、送達場所を届け出ることによって、その場所(弁護士に委任した場合には、通常、その法律事務所)に送付してもらえます。したがって、最初の訴状さえ、自分で受け取ることができれば、他人に知られることはありません。また、自宅が相手方に判明している場合には、訴状も、勤務先に送達されることはありません。
更に、最近では、提訴前に交渉を担当していた弁護士が存在する場合、裁判所は、その弁護士に連絡を取って、訴訟代理人に就任する予定かを問い合わせており、訴訟代理人に就任する予定であれば、訴訟委任状提出後、最初から、法律事務所宛に送達する運用をしています。
裁判の公開は、日本国憲法で定められていますが、口頭弁論期日や尋問以外(弁論準備や書面による準備手続)は、一般公開されておらず、傍聴も制限されます。また、裁判が公開されるといっても、裁判所が、インターネットなどで一覧表を公開しているわけではなく、基本的には、裁判所まで行って、期日簿を見なければ、どのような裁判が係属しているか知ることができません。マスメディアに報道されたり、訴訟当事者がインターネットで公表したりしない限り、一般に広く知れ渡ることはありません。
民事尾訴訟記録は、誰でも閲覧できることになっていますが、事件番号を特定しなければならず、訴訟当事者以外が閲覧することは稀です。また、謄写(コピー)は利害関係を疎明しなければならず、誰でも謄写できるわけではありません。
ただし、尋問期日は、傍聴人がいることが珍しくありません。ほとんどの場合、裁判傍聴を趣味にしている人、民事訴訟制度に関心がある人など、たまたま、その日、裁判傍聴に訪れた人か、司法修習生、訴訟当事者の家族・関係者などであり、その裁判自体に特別な関心を持っている完全な第三者であることは稀です。
裁判を起こされることを過度にネガティブに捉える必要はありません。
裁判になると周りに知られるのではないかという心配で、不利な和解に安易に応じないようにするべきです。
勤務先に訴状が送達されることが心配なら、予め、送達先として、自宅を通知してしまうことも考えられます。
また、予め、弁護士に委任しておき、相手方弁護士に対し、「訴訟代理人に就任予定であるから、訴訟提起する際は、裁判所に、当方の弁護士を申告するよう」に要請することも考えられます。ほとんどの弁護士は、正式な要請があれば、対応はするでしょう。
ただし、訴状を自宅や勤務先に送ってやらなければ気がすまないという人間もいますし、それに応じる弁護士も存在します。法律上、訴状の送達場所が自宅や就業場所とされている以上、そこに訴状が届けられたからといって、たとえば、それが不法行為であるとか、弁護士倫理違反であるなどの文句は言えない可能性も高いので、注意が必要です。
