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大学に進学したら養育費の支払期間は延びるか?

現在、裁判所の実務では、養育費の支払期間を原則20歳までとしています。

成人年齢は18歳ですが、統計上、8割以上の人が、高校卒業後、更に、何らかの進学(大学、専門学校等)をしており、一般的に、18歳になった時点で経済的に自立しているという社会的実情がないので、18歳とは定められません。他方、養育費を定める時点で、既に高校生で、大学進学が予定されている場合であれば別ですが、そうでなければ、大学に進学するか否かは、将来の不確定要素ですので、22歳までと定めることもありません。※ただし、当事者の合意によって、18歳までにしたり、22歳までにすることはできます。

要するに、養育費の裁判をするときには、将来のことは分からないので、20歳までと定めているだけなのです。したがって、もし、18歳で就職し、経済的に自立すれば、20歳までと定められていても、18歳(実際は就職時)で終了になります。他方、4年制大学に進学することになれば、卒業時まで養育費の延長が認められる可能性が高いと言えます。

浪人や留年をした場合、6年制の医学部に進学した場合でも、22歳までではなく、卒業時まで、延長が認められる可能性が高いと言えます。

ただし、養育費の延長と学費負担の問題は別です。通常の養育費は、子が未成熟子(経済的に自立していないこと)であれば認められますが、学費に関しては、進学に合意しているか、進学が不合理ではなく、親の収入から負担させるのが相当と言える場合に限り、認められます。通常の国公立や文系大学程度の学費であれば、普通の収入があれば、負担が認められる可能性が、それなりにあると言えますが、医学部など、特に学費の高い進学をした場合には、承諾していない限り、認められない可能性もあります。しかし、親が医師で高収入だったりすると、認められる可能性もあり、このあたりは、あくまで親の職業や収入も考慮した個別判断になります。

実際に養育費の支払期間(終期)を延ばそうと思ったら、早めに、支払義務者側に連絡を取り、進学予定であることを告げて、協議を開始する必要があります。実際に延長の合意が成立するまで、一定期間を要する可能性があるため、当初の終期以降も、滞りなく、支払いを継続してもらうには、進学確定後、早めの協議開始が望ましいと言えます。また、相手にも生活があるのですから、終了ギリギリになって、「実は進学していたので、延長してください。」と言うのでは、さすがに不誠実でしょう。

調停や裁判で養育費を決めた場合には、再度、養育費の終期を変更する調停を申し立てるのが望ましいでしょう。調停調書や確定審判を取得しておかなければ、支払いが滞ったときに、強制執行ができないからです。

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