当事務所の入り口はこちら 入り口案内

婚約破棄に基づく慰謝料請求

目次

婚約破棄に基づく慰謝料請求の要件

婚約破棄に基づく慰謝料請求をするためには、以下の3要件を充足している必要があります。

  1. 婚約の成立
  2. 一方が破棄したこと
  3. 正当事由がないこと

どのような場合に婚約が成立したと言えるかは、インターネットの記事でも解説されているものがありますが、実務上、一方が破棄したと言えるか、正当事由がないかが、問題になることもあります。

婚約の成立

法律的には、婚約は、双方の合意のみによっても成立します。

しかし、慰謝料請求をすれば、相手方は合意の存在を否定するでしょうから、単なる男女交際と婚約を区別するためには、客観的事象が必要です。実際は、以下のような事象を総合考慮して、判断されます。

婚約指輪(結婚指輪)

婚約指輪や結婚指輪を渡していれば、結婚の約束があったと認められる可能性が非常に高くなります。ただし、それが本当に「婚約指輪として」渡されたのかが問題になることはあり得ます。

結婚式の準備

結婚式場を予約したり、プランナーと打合せをするなど、結婚式の具体的な準備をしていれば、当然、結婚の約束があったと認められます。

親族への挨拶・友人への公表など

両親や親族に結婚を報告したり、両親同士が顔合わせする場を設けるなどしていれば、通常、結婚の約束が合ったと認められます。

友人に結婚を公表したことは、本人が、婚約と認識していたことの表れですから、婚約が認められる可能性が高くなります。ただし、もちろん、「たぶん、いずれ結婚する」とか、一方的な認識を表明しただけであれば、婚約の表れとは言えません。

同居開始・同居の準備

同居に向けて具体的準備を進めたり、実際に同居したりしているかも重要です。ただし、同棲したからといって、結婚を約束したとは言えないので、通常、これだけでは足りません。

結婚を前提とする交際

結婚相談所や自治体の婚活事業で出会った場合、結婚前提の交際と認められやすくなります。ただし、当然ですが、結婚前提の交際といっても、交際した途端、婚約したことになるわけではありません。その後、婚約と認められる段階に達している必要があり、結局は、婚約指輪や結婚式の準備等の事情が必要になるでしょう。

仕事を辞める

結婚するために、一方が仕事を辞めることがあります。これも、仕事を辞めたからといって、それだけで、婚約があったということにはなりませんが、他の事情と総合的に見て、婚約の表れと評価される場合があります。

繰り返しますが、婚約自体は合意のみによって成立します。たとえば、日常的に、LINEのやり取りで、婚約していることが明らかな会話をしていれば、婚約指輪や結婚式の準備などがなくても、婚約が認められる可能性があります。

一方からの破棄

慰謝料請求するためには、婚約が成立しているとしても、本当に、「相手が破棄した」と言えるのかという点にも、注意する必要があります。

すれ違いや、喧嘩によって、関係が解消された場合、どちらが破棄したとも言い難いことも考えられます。また、一方に責任があったとしても、最終的には、合意によって、婚約が解消されたと認められる場合もあります。

LINEなどに経緯が残っていれば良いのですが、実務上、どういう経緯で婚約が解消されたのかが、客観的に残っておらず、当事者の証言によらざるを得ないことも珍しくありません。そうすると、結局、婚約解消の経緯が不明ということで、慰謝料請求が認められないことになってしまいます。

正当事由の不存在

たとえば、他の異性と肉体関係を持っていることが判明した場合(浮気)、性的に不能であることの発覚、犯罪などの社会的逸脱行為、暴言・暴力などのDVがあれば、婚約を破棄しても、正当事由があると認められます。

他方、婚姻は、当事者同士の問題ですから、「親が反対している」といった理由では、正当事由があるとは認められません。喧嘩や心変わり、性格の不一致といった理由は、内容にもよりますが、婚約前に解決しておくべき問題であり、通常は、正当事由とは認められにくいでしょう。

慰謝料額

慰謝料額には、幅があり、単純な婚約破棄というだけなら、数十万円程度が多いと言えます。

しかし、結婚準備のために仕事を辞めて、収入やキャリアを失っていたり、同居するために、住居を引き払っていたり、結婚式直前で、既に招待状も発送し、費用も発生していたりするなど、実害が発生している場合には、100万円を超えて、高額になる可能性があります。

  • URLをコピーしました!
目次